工事・事業遂行に起因する損害賠償リスク

請負業者賠償責任保険・(建設業者向け)総合賠償責任保険
請負業者が建設現場で工事を行っている際の事故や管理している資材、施設等に起因する第三者への対人・対物賠償事故が該当します。
建設業では事業者がまず第一に考えるリスクで、ほとんどの事業者が何らかの保険、共済等に加入していると思います。
ここで重要なのは、加入している保険が、危険度の高いリスクをカバーしているかどうかです。いくつかの事故例を基に、どのようなリスクが想定されるか、「現在加入中の保険で補償されるか」をご確認ください。
事故例
- ビルの建設工事のため組んでいた足場が崩れてしまい、隣のビルを損壊してしまった。
⇒窓ガラスや外壁の修理費および清掃費として、約750万円の損害賠償請求を受けた。
- 建設現場の資材が崩れ、通行中の会社員にケガを負わせてしまった。
⇒ケガの治療費、休職中の補償、および慰謝料として、約300万円の損害賠償請求を受けた。
- 建設資材搬送中、近くに止めてあった第三者の自動車に資材をぶつけて傷をつけてしまった。
⇒修理費用として約20万円の損害賠償請求を受けた。
請負業者賠償責任保険は単体加入もできますが、「総合賠償責任保険」といった事業を行う上で想定されるリスクを包括的に補償する保険が販売されています。
包括的な補償の保険に加入しておらず、「毎年、同じ保険を更新しているだけ」や「最近、事業の拡大で請け負う工事が増えた」という事業者は、加入中の保険が、今の事業に起因するリスクをカバーしているかを確認した方がよいでしょう。
なお、包括的な補償に加入していても、特約としてセットしていないと補償されないような事故もあります。
次の事故例に該当する事故が補償されるか、現在ご加入中の保険を今一度確認してみてください。
事故例
- リフォーム工事に伴うドアの設置作業中、取付対象の建物の外壁にドアをぶつけてしまい、破損させてしまった。
※「管理財物補償」、「目的対象物補償」等がセットされていないと作業を行う対象物自体の損害は補償の対象外となることがあります。
- 工事に使用するためにリース会社から借用していたクレーン車を誤って損壊してしまった。
※「借用財物補償」等がセットされていないとリース品、借用(レンタル)品の損害は補償の対象外となることがあります。
- 施主から一時的に預かっていた資材や備品を損壊してしまった。
※「受託物損壊補償」等がセットされていないと預かり品の損害は補償の対象外となることがあります。
ご自身で保険証券を確認しても、どのような補償となっているかわかりにくいものです。まずは、補償内容の確認依頼でも構いませんので、お気軽にご相談ください。