使用者賠償責任保険

使用者賠償責任保険とは、従業員が業務中などに被った身体障害について、企業(被保険者)が法律上の賠償責任を負担した場合に、保険金が支払われる保険です。
例
- 建設会社の従業員が、高所作業中に落下し四肢に後遺障害を負ってしまい、その建設会社が安全配慮義務を怠ったとして、治療費、慰謝料等の損害賠償請求を受けた。
事故の程度や企業側の過失の割合によっては、損害賠償請求額が高額になる可能性があるため、企業防衛を踏まえた保険加入が必要となります。
なお、使用者賠償責任保険は、単独での契約ができませんので、一般的には業務災害補償保険(労災上乗せ保険)の特約として加入します。保険会社によっては、業務災害補償保険の基本補償部分を抑え、使用者賠償責任補償を手厚く設定するなど自由設計が可能です。
加入に際しての注意点
- 業務災害補償保険の基本補償と使用者賠償責任保険の被保険者が異なる場合があります。特に建設業などでは被保険者に下請負人が含まれているか確認してください。
- 平成27年12月より、「ストレスチェック制度」が施行され、労働者が50人以上の事業所では、定期的に労働者のストレス状況について検査を行い、その結果を本人に通知することが義務付けられました。
業務災害補償保険に加入することにより、これらのストレスチェックやメンタルヘルスに関するサービスを受けられるようになりますが、一部の保険会社では使用者賠償責任保険の特約をセットしなければ受けられないサービスとなっています。保険会社ごとにサービス内容や利用規定が異なるため、比較ください。
補償内容、付帯サービスなど保険会社により異なるポイントが多いため、単純な保険料の比較だけでなく、総合的な比較が重要になる補償だといえます。