火災保険を選ぶ前に確認すべき3つのポイント
火災保険の補償内容や保険料は保険会社によって大きく異なるため、契約前にしっかりと準備をしておくことが重要です。
特に、建物の基本情報の把握、必要な補償・特約の選定、そして保険金額の設定方法の理解は、火災保険を選ぶうえで欠かせない3つのポイントです。それぞれのポイントをわかりやすく解説しますので、火災保険の契約前にぜひチェックしてみてください。
①建物の基本情報「所在地・構造・築年数」を把握
火災保険の保険料を計算するには、物件の所在地、建物の構造、築年数といった情報が必要です。納得できる保険料で契約するためにも、これらの情報を正確に把握しましょう。
【活用できる確認資料の一例】
- 登記簿謄本
- 建築確認申請書/確認済証
- 検査済証
- 住宅用家屋証明書
- 住宅性能評価書等
新築の場合、登記簿謄本や検査済証は引き渡し後に発行されるため、事前に確認したい場合は建築確認申請書などを施工主に依頼して入手しましょう。
②保険金額の設定方法を理解する
火災保険の保険金額は「再建築価額(新価)」を基準に設定するのが一般的です。これは同等の建物を新しく建てるために必要な金額です。以前は「時価」で契約することもありましたが、時価契約では再建築費用を賄えないため、現在は再建築価額が主流です。
新築物件であれば建物価格を基準に設定できますが、中古物件や建売では正確な再建築費用の把握が難しい場合があります。その場合、保険会社の簡易評価で算出しますが、評価額の幅が広いので、低く設定すると保険料は安くなる一方、補償不足になる恐れがあります。適正な保険金額を設定するため、不動産会社に相談しましょう。
③必要な補償・特約を見極める
火災保険には基本補償と特約があります。補償範囲や特約の有無によって保険料は変わります。基本補償には「火災、落雷、破裂・爆発」「風災・雹(ひょう)災・雪災」「水災」「水濡れ・盗難」「破損・汚損」などがあります。
すべての補償を付ければ安心ですが、保険料は高くなります。例えばマンション高層階では水災リスクが低いため、水災補償を外すことで保険料を抑えられます。反対に河川近くでは水災補償が重要です。
住宅タイプ別の火災保険の選び方
火災保険は、住まいのタイプによって必要な補償や保険料が大きく変わります。
新築一戸建て、中古一戸建て、マンション、賃貸住宅――それぞれの住宅には異なるリスクがあり、選ぶべき火災保険のポイントも異なります。
「どの補償を重視すべきか」「保険料を抑える方法はあるのか」など、住宅タイプ別の選び方を知ることで、無駄なく、安心できる保険設計が可能になります。
この章では、4つの住宅タイプ別に火災保険の選び方をわかりやすく解説します。
ケース1:新築一戸建ての場合
新築一戸建てを購入する際は、物件の引き渡しと同時に火災保険へ加入するケースがほとんどです。そのため、金融機関や不動産会社から提案された保険をそのまま契約してしまいがちですが、その保険が本当に自分に合っているかを見極めることが重要です。
近年の火災保険は、建築年数によって保険料が変動する仕組みになっています。築浅の物件は保険料が安く、築年数が経過した物件は高くなるのが一般的です。
したがって、重要なのは「提案された補償内容が、自分に合っているかを確認すること」です。複数の保険会社の補償内容やセットできる特約を比較し、自分が希望する補償や特約があるかを確認しましょう。
ケース2:中古一戸建ての場合
中古物件では、建築年数の経過により保険料が大きく変わります。さらに、築年数が古すぎる場合、そもそも新規契約を受け付けない保険会社もあります。
例えば、築30年以上の物件では、同じ補償内容でも保険会社によって年間数万円の差が生じることがあります。また、希望する補償設計ができない場合もあります。築年数によっては、免責金額(事故時の自己負担額)を設定しなければならない保険会社もあり、その金額は会社ごとに異なります。
免責金額をできるだけ低くし、補償を充実させたい場合は、複数の保険会社の引受条件を比較することが重要です。そのうえで保険料も併せて検討し、納得できる火災保険を選びましょう。
ケース3:マンション(区分所有)の場合
マンションの場合、火災保険の対象は専有部分のみです。共用部分は管理組合が加入する保険でカバーされるため、個人で加入する必要はありません。
マンションは一戸建てに比べ、火災や自然災害のリスクが低いため、保険料は比較的安く設定されています。特に上層階では、「水災」のリスクはほとんどありません。
補償項目をカスタマイズできる保険会社もあるため、不要な補償(例:水災)を外して保険料を抑える設計がおすすめです。
ケース4:賃貸住宅の場合
賃貸住宅では、建物は大家が保険をかけているため、入居者は家財保険と借家人賠償責任保険に加入します。借家人賠償責任保険は、火災などで建物に損害を与えた場合に、大家への賠償責任をカバーする保険で、賃貸契約ではほぼ必須です。
火災保険選びのポイントは、家財補償や借家人賠償責任補償の設定金額が十分かどうかです。特に大家さんへの賠償責任(借家人賠償責任)の限度額は2,000万円以上で設定する方が安心といえます。「保険料の安さ」と「補償の手厚さ」のどちらを優先するかを判断しましょう。
また、不動産会社や大家さんから提示される条件(契約可能な保険期間、借家人賠償責任補償の限度額など)を満たせるかも重要です。これらを総合的に考慮し、複数の保険会社を比較しましょう。
適切な補償を見極めて保険料を節約
火災保険の基本補償は、大きく 「火災リスク」「風災リスク」「水災リスク」「日常生活リスク」 の4つに分類されます。すべての補償をセットした火災保険は安心感が高い反面、保険料も高額になりがちです。
住まいの立地や建物構造を踏まえ、不要な補償を外すことで保険料を抑えることができます。
火災リスク:火災・落雷・破裂・爆発
火災保険の中で最も基本的な補償です。火災はもちろん、落雷による家電の故障やガス爆発などの損害をカバーします。
なお、この補償は必須であり、原則的には対象外にすることはできません。
風災リスク:風災・雹(ひょう)災・雪災
台風や竜巻による屋根の破損、雹(ひょう)による窓ガラスの割れ、豪雪による雨樋の損壊などが該当します。近年の異常気象により、一戸建てでは重要性が高まっています。
例として、日新火災の『お家ドクター火災保険(すまいの保険)』では、風災補償を外す設計が可能です。
水災リスク
台風や豪雨による洪水、土砂崩れ、高潮などの水害を補償します。ハザードマップで浸水リスクが高い地域では必須ですが、マンションの上階や高台の一戸建てではリスクが低いため、補償を外すことで保険料を抑えられます。
日常災害リスク:盗難、水濡れ、破損・汚損等
空き巣による建物の破損や家財の盗難、水漏れによる損害、日常生活での偶然な事故による破損・汚損などを補償します。
この補償は、火災や風災・水災に比べ損害額が小さく、免責金額が設定されるため、外す方も多い項目です。
ただし、日常のトラブルによる細かな出費を避けたい方には、補償を付けることをおすすめします。
セットすべき特約とは?
火災保険には、基本補償に加えてさまざまな特約をセットできます。代表的な特約は以下のとおりです。
個人賠償責任特約
日常生活における偶然の事故で、他人に損害を与えた場合の賠償責任を補償します。
例:
- 自転車で歩行者に衝突しケガをさせた
- マンションで水漏れを起こし、階下に被害を与えた
保険料は比較的安く、補償範囲も広いため、他の保険(自動車保険や傷害保険)で未加入ならおすすめです。どの保険会社でもセット可能ですが、補償の限度額は会社によって異なります。
カスタマイズ可能な会社もあれば、「1億円のみ」「3億円のみ」など定額の会社もあり、また、「無制限」で設定できる会社もありますが、数は少ないです。この特約を重視する場合は、保険会社の商品を比較して検討することが重要です。
類焼損害補償特約
自宅からの火災が近隣住宅に延焼した場合に、近隣住宅の損害も補償する特約です。
日本では失火責任法により、重大な過失がない限り出火元に賠償責任は発生しませんが、近隣トラブルに発展しやすいため、近隣との関係を考慮する方にはおすすめです。
この特約もほとんどの保険会社でセット可能です。
契約期間は何年がお得?
以前の火災保険では、多くの保険会社で最長36年間の長期契約が可能でした。そのため、住宅ローンの期間に合わせて「30年」「35年」といった長期契約をするケースもありました。
しかし、近年の自然災害の増加や建築資材の高騰による修理・修繕コストの上昇を背景に、保険期間は段階的に短縮されています。
- 2015年改定:最長10年まで
- 2022年改定:最長5年まで
現在販売されている火災保険は、最長5年までが一般的で、契約期間は1年~5年の整数年で選択します。
では、契約者の立場から「1年契約」と「5年契約」では、どちらがお得なのでしょうか?ここでは、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
保険期間を1年間とした場合のメリット
- 初期負担が少ない。1年分の保険料のみを支払うため、契約時の経済的負担が軽い。
- 見直しの柔軟性が高い。毎年更新するため、ライフスタイルや建物状況の変化に応じて補償内容を調整できる。
- 保険会社の乗り換えが容易。新しい商品や割引制度が登場した際に、比較・切り替えがしやすい。
保険期間を1年間とした場合のデメリット
- 長期契約割引(長期係数)が適用されないため、総支払保険料は、長期契約に比べて割高になる。
- 毎年更新手続きが必要。更新忘れや手続きの手間が発生する。
- 保険料改定の影響を受けやすいため、毎年の更新時に保険料が上がる可能性がある(逆に、下がる可能性もある)。
保険期間を5年間とした場合のメリット
- 「長期契約割引(長期係数)」が適用され、総支払保険料を抑えられる。
- 毎年の更新手続きが不要。
- 保険期間中は保険料改定の影響を受けない。
保険期間を5年間とした場合のデメリット
- 「長期一括払」を選択した場合、契約時に5年分の保険料を一括で支払うため、初期負担が大きい。
- 更新不要のため、保険内容を見直すタイミングを逃す可能性がある。
なお、負担を軽減したい場合は「長期年払」を選択することで、毎年分割払いが可能です。
近年、火災保険料は改定のたびに上昇しており、築年数や建物構造によっては、10年前と比べて同じ補償内容でも保険料が大幅に上昇しているケースもあります。
そのため、できるだけ長期契約にすることで、その間の保険料改定の影響を受けないことは、家計の安定という観点で大きなメリットといえます。
火災保険会社を比較するポイント
火災保険は保険会社によって補償内容や条件が異なるため、契約前に複数社を比較することが重要です。比較時に確認すべき主なポイントは以下のとおりです。
保険料
同じ補償内容でも、物件の所在地や建築年数などの条件によって、保険会社ごとに保険料が数万円単位で異なることがあります。
特定の保険会社にこだわりがなければ、保険料の安さは大きな判断材料です。正確な見積もりを取るために、所在地・構造・築年数などの情報を事前に準備しましょう。
補償内容および特約
- 基本補償のカスタマイズが可能か
- 免責金額(自己負担額)はいくらか
- セットできる特約の種類
これらは保険会社によって異なるため、詳細を確認しましょう。
代理店型とダイレクト型
火災保険には、代理店型とダイレクト型があります。
- ダイレクト型:インターネットで契約手続きを行うタイプ。代理店手数料や紙帳票の削減により、中間コストを抑え、保険料が割安になる傾向があります。
- 代理店型:対面で説明を受けられ、事故時の相談窓口として安心感があります。専門家による手厚いコンサルティングがある分、ダイレクト型よりも保険料が高い傾向があります。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、「コスト重視」か「サポート重視」か、これらを基準に選びましょう。
割引制度の有無
火災保険の割引制度は多くありませんが、一部の保険会社では独自の割引があります。活用することで保険料を節約できます。
割引の例:
- オール電化割引:ガスなどの直火を使わないため、火災リスクが低く割引が適用される
- ホームセキュリティ割引:警備会社による機械警備を導入している場合に適用される
- 指定工務店割引(日新火災海上保険):指定工務店特約を付けると建物保険料が3%割引される
- S評価割引(日新火災海上保険):マンション管理適正化診断で最高評価「S」を獲得したマンションに居住する場合、建物保険料が5%割引される
まとめ:自分に合った火災保険を選ぼう
火災保険は、住まいを守るために欠かせない重要な保険です。しかし、補償内容や保険料は保険会社によって大きく異なります。
まずは、自宅の立地・建物構造・家族構成などを踏まえ、必要な補償を見極めることから始めましょう。
すべての補償をセットすれば安心ですが、その分保険料は高くなります。
「必要な補償」と「不要な補償」を見極め、リスクに合った火災保険を選ぶことが大切です。
『お家ドクター火災保険Web』は、インターネットで手続きができるダイレクト型火災保険です。インターネットで加入できるため、割安な保険料でご加入いただけます。
さらに、補償内容を自由にカスタマイズできるので、
- 必要な補償を選んで保険料を抑える
- 手厚い補償を選んで安心を確保する
といった柔軟な設計が可能です。
また、指定工務店ネットワークがあり、万一の事故時には、信頼できる指定工務店が修理対応を行います。
「コストを抑えたい」「安心できる修理体制を重視したい」方におすすめの火災保険です。

